じゃんけんをするとき,人数が増えれば増えるほど, 勝敗が決まりにくくなると実感している人は少なくないと思います。 ここではじゃんけんに関するいろいろな確率を求めることを考えます。 ただし,全員グー,チョキ,パーを等確率で出すものとします。
A と B の手の出し方はそれぞれ 3 通りあり,互いに独立ですから,
例題 1 と同様,A の出す手に対して,B,C の手の出し方は 1 通りです。
「ちょうど 2 人」が勝てば良いので,誰が勝ってもかまいません。
一般に,n 人でじゃんけんを 1 回するとき,ちょうど k 人が勝つ確率は,
全事象は 34 通りあり,それらは同様に確からしい。
n 人への拡張を考えると,この方法では面倒です。 〜発想の転換 「勝ち組」と「負け組」に分ける〜
勝つ手の選び方は 3 通り(ここまでは同じ)
この解法であれば,何人でじゃんけんをしても平気です。
この一般式について,n を大きくすると,確率は 0 に近づいていきます。
直接考えると大変なことになりますが,例題 4 の余事象であると分かれば大丈夫です。
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確率は | |
上のスクリプトを利用したくだらない計算
人数 | 1回のじゃんけんに 3 秒かかるとき, 勝敗がつくまでかかる時間の期待値 |
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5 | 8.1 秒 |
10 | 55 秒 |
20 | 55 分 |
30 | 53 時間(2 日) |
50 | 20 年 |
75 | 51 万年 |
100 | 129 億年 |
爆発的に時間が伸びていくのがわかるかと… 100人でじゃんけんをしたら,勝敗がつくまで地球の歴史を 3 回繰り返さなくてはならないわけですね。 このことから、大勢でじゃんけんをするときの工夫として,次の方法が考えられます。 ● じゃんけんに参加しない1人とじゃんけんをして,その人に勝った者が勝ち(どこかの番組でやっていましたね。) ● 最も多い手を出した人が勝ち(「多い勝ち」とも言いますが,事前の画策があると不公平になります。) 最終的に1人しか勝ち残れない場合は特殊なルールを併用して決まりやすくしましょう。… |
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