順列に条件を加えていくとどう式が変化するでしょうか。
押さえておきたい典型的な例を紹介します。
Keyword 1 「両端にある」
例題 1 A,B,C,D,E の 5 人を 1 列に並べるとき,
A と B が両端になるような並び方は何通りあるか。
また,これが起こる確率を求めよ。
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格言 2 に従い,まずは両端の A, B から定めます。
A, B の並べ方は 2! = 2 (通り)
残りの 3 人は自由だから,3! = 6 (通り)
以上は同時に起こるから,(積の法則より),2×6 = 12 (通り)
これが起こる確率は,
確率の左辺をよく観察すると, | 1 | と解釈できます。
| 5C2
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気のせいではないと思いますが,深入りはしないことにします。
Keyword 2 「隣り合う」
例題 2 A,B,C,D,E の 5 人を 1 列に並べるとき,
A と B が隣り合うような並び方は何通りあるか。
また,これが起こる確率を求めよ。
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やはり,隣り合う A, B を先に並べておきます。2 人の並び方は 2! 通りです。
次に並んだ A, Bを「□」と固定し,□,C,D,E の「4 人」を並べます。
以上より,求める場合の数は,
2!×4! = 48 (通り)
これが起こる確率は,
Keyword 3 「交互に並ぶ」
例題 3 男子 4 人と女子 3 人の合計 7 人を 1 列に並べるとき,
男女が交互になるような並び方は何通りあるか。
また,これが起こる確率を求めよ。
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男子を○,女子を△で表すと,「混ぜ方」は ○△○△○△○ の 1 通りだけです。
(注意:人数が同じだと,「混ぜ方」は 2 通りになります。)
男子の並び方は 4! 通りあり,その各々に女子の並び方は 3! 通りあります。
以上より,求める場合の数は,
4! × 3! = 144 (通り)
これが起こる確率は,
例題 1 と同様, | 1 | と解釈できます。気のせいではないですよ…
| 7C3
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Keyword 4 「隣り合わない」
例題 4 男子 4 人と女子 3 人の合計 7 人を 1 列に並べるとき,
どの女子も隣り合わないような並び方は何通りあるか。
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例題 3 との違いは,例えば △○○△○△○ のような状態も許して数える点です。
隣り合う場合から引こうと思っても,○○△△○△○ なども除く必要があるため、人数が増えるほど大変になります。
Point: 「否定形は条件のないほうを先に並べる」
まず,条件のない男子を先に並べてしまいます。この方法は 4! 通りです。
次に,△○△○△○△○△ として,△に 1 人ずつ女子を入れていけば,必ず条件を満たします。
この 5 つの△より,3 つを選んで並べればよいので,女子の並び方は 5P3 通りです。
以上より,求める場合の数は,
4!×5P3 = 1440 (通り)
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