場合の数・確率の格言

何の問題も解かないうちからこれを覚えても意味はないと思いますが、備忘録的にまとめておきます。

格言 1 ; 「少なくとも」問題は余事象(否定)をとれ。
例えば「さいころを 4 つ投げるとき、少なくとも 1 個は 1 が出る」について,
「少なくとも 1 個は」とは,「さいころの 1 個以上は」1 が出ていると読解します。
直接場合分けするのは面倒だと思います。
これの余事象は,「すべて1 が出ない」となり,1 つしかなります。
これに代表されるように、「少なくとも」問題は、余事象を引いたほうが早いものがほとんどです。

格言 2 ;「肯定形の条件があればそれを最優先」
1 つの事象(事柄)に条件がある場合は、原則としてそれを優先して考えます。
条件が複数ある場合は、より条件の厳しいほうを優先させます。
基本的なことはこちらを参照してください。

格言 3;「ANDで結ばれる文章(1 つの完成図)は掛け算で結べ」
例 1 ;ABC の3人を1列に並べる方法は何通りか
一番左は、3 人選べ、中央は 2 人選べる。さらに一番右は残った 1 人だから、
3×2×1 通りです。強調した部分を最も簡単な英語で考えたら「and」ですよね。
つまり、「and」で区切られた文章を一まとめにするときは、掛け算を用います。
これを「積の法則」と呼んでいます。
詳しくはこちら

格言 4 ;「事象を場合分けしたとき (or で結ばれる文)は足し算」
自ら場合分けするとき、分けられた事柄は原則、どの 2 つも重ならない (互いに排反となる) はずです。
共通部分がないことを確認したら,足すだけで構いません。
共通部分があるときはもちろんその重なりを引かなくてはなりません。
代表的な問題はこちらです。

格言 5 ;「図形は常に固定して考えよ」
これは、円順列が代表的な例なので、こちらで詳しく解説します。

格言 6 ;「場合の数は決め方に関係なく、完成図のみを考えよ」
例 1 の場合もそうですが、3 人を左から見ても,右から見ても,
結果同じ ABC となるものは同じですから,どちらから定めてもかまいません。
例 1 で、勝手に左から決めてしまっているのは、この格言があるからです。
基本的な例題

確率用語辞典

確率を勉強するとき、独特の言い回しが壁になってしまう方もいるようです。
私はこれらを「確率用語」と呼んでいます。
この確率用語は避けて通れないものもあり,
このサイトでも無意識に使ってしまうことが多いものを紹介します。
(このページにないものについては、必要と思われた時に説明します)

試行と事象 何かを試しにやってみることを試行といい,試行の後に起こった「ことがら」を事象といいます。例えば,次のとおりです。
「2 つのさいころを振る」←試行
「目の和が 6 となる」←事象
全事象 試行の結果起こり得るすべての事象。
余事象 事象Aに対して、「Aが起こらない」という事象のことです。
排反事象
互いに排反
複数の事象が、同時に起こらないとき、この用語を使います。
極論ですが,「事象A」と「事象Aの余事象」は、必ず互いに排反です。
(互いに) 独立 2 つの試行が互いに影響しあわないとき,それらは互いに独立と言います。
1つめの試行でAが起こり,かつ 2 つめの試行でBが起こる確率について,
等式 P(A∩B)=P(A)×P(B) が成り立つ状態でもあります。
根元事象 それ以上場合分けできない事象のこと。
同様に確からしい 複数の事象に対して、それらが起こる確率が等しいときに使います。

さいころを 2 個振って,目の和が 6 になる目の出方について,
場合の数では区別がつくかどうかで数え方が異なることがあります。
2 個のさいころに区別がつかないときは「1 + 5」「2 + 4」「3 + 3」の 3 通りなのですが…
場合の数と確率では,少しだけ事情が違うことがあります。

事象 A の起こる確率= 事象 A の起こる場合の数
全事象の場合の数
とき後 と考えれば覚えやすいと思います。
とき前

「さいころを 2 個振って,目の和が 6 となる」確率について,
全事象は 6 × 6 = 36 通りあり,それらは同様に確からしい。
2 つのさいころの目の和が 6 となる事象は 5 通りあるから,
求める確率は,5
36
さいころの目の和表は、すぐに作れるようにしましょう。
右図のように数字の入れ方を工夫するとすぐ出来ます。

基本的な例題