0(ゼロ)を含む数の順列について

 0 を含んだ整数を作ることを考えます。
格言 2 を利用した問題の典型ともいえます。
特に桁数が指定されている場合,「最高位には 0 を選んではならない」条件が伴います。

例題 1 0,1,2,3,4 の数字を重複を許して使ってできる 4 桁の整数は何個あるか。

「重複を許して」とは,「同じ数字を何度用いても良い(重複順列)」と同じです。
このときは最高位(1 個少ない 4 個)だけに気をつかえば良く、残りの 3 桁は 5 個ずつ自由に選べます。
よって,4×53 = 500 (個)

例題 2 0,1,2,3,4 の数字を 1 回ずつできる使ってできる 5 桁の整数は何個あるか。

1 回しか使えない( 2 度以上使ってはならない)場合は,残りの個数を考慮する癖をつけましょう。
最高位は 0 以外の 4 つの数字が使えるので,4 通り (残り 4 個)
残りの 4 桁は自由に並べてよいから,4!
以上より,4 × 4! = 96 (個)

例題 3 0,1,2,3,4 の数字を使ってできる 3 桁の整数は何個あるか。
ただし,同じ数字は 2 度以上使ってはならない。

例題 2 に対して桁数と「言い方(表現)」が変わっただけだと分かれば何も問題ありません。
最高位は 0 以外の 4 つの数字が使えるので,4 通り (残り 4 個)
残りの 2 桁は 4 つの数から 2 つを選んで並べるから,4P2 通り(数字を使い切らないときは P )
以上より,4×4P2 = 4×4×3 = 48 (個)

例題 4 0,1,2,3,4,5 の数字を使ってできる 4 桁の奇数は何個あるか。
ただし,同じ数字を 2 度以上使ってはならないものとする。

本当の試験問題なら、このような親切なアンダーラインなどありません。
重複を許すかだけでなく、このような小さな変化に気づく読解力(冷静さ)も必要です。
今回の条件は…

○ 最高位に 0 を用いてはならない
○ 一の位に使える数字は 1,3,5 である

条件が複数あるときは,格言 3 に従い,条件の厳しい一の位から定めます。
一の位の選び方は,1,3,5 の 3 通り (残り 5 個)
最高位には 0 を選べないから,4 通り (残り 4 個)
残りの 2 桁は,残った 4 個の数字から 2 個選んで並べるから,4P2 通り
以上より,求める場合の数は,3・4・4・3 = 144 (個)

例題 5 0,1,2,3,4,5 の数字を使ってできる 4 桁の偶数は何個あるか。
ただし,同じ数字を 2 度以上使ってはならないものとする。

今回の条件は…

○ 最高位に 0 を用いてはならない
○ 一の位に使える数字は 0,2,4,6 である

今度は一の位が 0 かどうかで状況が変わってしまいます。条件が複雑なときは,冷静に場合分けし,
格言 4 にしたがって,最後に加えます。

[A] 一の位が 0 のとき (0 を使ってしまったので,残りは普通の順列になります)
残りの 3 桁は 残った 6 個の数字から 3 個を選んで並べればよいから,
6P3 = 6・5・4 = 120 (個)
[B] 一の位が 0 でないとき
一の位は,2,4 の 2 通り (残りは 5 個あるが,この中には 0 を含んでいる)
最高位は,0 以外の 4 通り (残り 4 個)
残りの 2 桁については,残った 4 個から 2 個を選んで並べればよいから,4P2 通り
以上より,3・5・5・4 = 300 (個)
[A],[B] は同時に起きないから,120+300 = 420 (個)

例題 6 0,1,2,3,4 の数字を重複を許して使ってできる, 4 桁以下の自然数は何個あるか。

真面目に場合分けすると…
[A] 1 桁の自然数は,4 個
[B] 2 桁の自然数は,4×5 = 20 (個)
[C] 3 桁の自然数は,4×52 = 100 (個)
[D] 4 桁の自然数は,4×53 = 500 (個)
以上より,4+20+100+500 = 624 (個)

別解:例えば,0024 は 24 を表すと考えると,
最高位にも 0 を許して,5 つの数を繰り返し 4 回選ぶ方法は,54 = 625 通り
このうち,0000 = 0 は自然数でないので,除かれる。
よって,625-1 = 624 (個)

[A]〜[D] を眺めていて,初項 4,公比 5 ,項数 4 の等比数列の和であると気づくほうが大切かもしれませんね…

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